プロローグ
私はサラリーマン家庭に育ったせいか、転勤が多く、もの心ついてから
北九州、佐賀、東京、横浜、広島、横浜、横浜、富山、横浜、横浜、東京
と10箇所を移り住んできました。その経験があったからこそ、最近になって、住まいに対する自分の
こだわりが持てるようになってきました。
家というものは3度作らなければ、納得できるものはできないともいわれています。
私は今度、建てたとしたら3度目になりますが、個人的にはたぶん納得できるものはできないのではな
いかと思っています。それほど、家を作るのは難しい。たとえ、作った当時は満足していても、住んで
いくうちにどこか不満になってしまう。人間の欲と同じなのでしょう。住まうということはそういうこ
となのではないかと私は考えています。
つまり、すべてを満足できる家なんてそもそも無理に決まっているのではないか。
という気持ちが正直なところなのです。はたして、この世で自分の住まいに満足している人はいるので
しょうか?もし、いるとすれば、是非一度、お会いして聞いてみたいものです。
とはいえ、なるべく満足の得られる住まいを持ちたいと思っている方は多分大勢いて、私の経験はその
方々のお役にたてるのではないかいう思いがこの原稿を書き始める
動機になりました。もしかしたら、まだこれから何回か転居する予定の皆様が快適な毎日を過ごすため
のなんらかのヒントを提供できるのではないでしょうか?
また、自分の住まいを振り返ることによって、その時々の自分が遭遇した出来事を記すのも悪くない。
いや、住まいと言うものはその人生の歩みの段階で全く違った印象を持つと言うことも理解していただ
きたいというのもあります。単なるリビングアドバイスではなく、その住む人の環境が住まいのあり方
を変えていることを皆さんにお伝えしようと思います。