住まいのエッセンス 第2章リビング その2

横浜のマンションのダイニングキッチンは8畳くらいありましたが、そこに大きなテーブルと

食器戸棚、テレビなどがあり、大きくなった子供3人と両親が全員座ると、かなり圧迫感が

ありました。ただ、ここで初めて、家族全員が集まる居間というものがフローリングのダイニング

になりました。和室は2部屋あり、それぞれ両親と私兄の部屋になり、姉はピアノと共に6畳の洋室を

確保したわけです。私と兄の和室にはサンルームが付いていて、僕はそこを勉強部屋にしました。

この家には廊下というものがなく、ダイニングは玄関、トイレ、風呂、各部屋につながっていて、

どこに行くのもダイニングを通らねばなりませんでした。また、クーラーもダイニングにしかなく、

暑い時はプライバシーがなくなるのでした。基本的には、南側の引き戸を開けて、和室と1体に使う

ことによって、閉塞感をやわらげ、和室を通して、南の窓からの陽光を部屋に取り入れていました。

夜になると、両親の寝室になってしまうので、かなり密室感が強くなりました。

広島のアパートも作りは似ていて、キッチン兼ダイニングがあり、その奥に和室が2間あるという形

でした。でも、そこが、道路の隣接していましたので、食事が終わると、和室に引きこもったもの

です。テレビは2台あり、和室の居間にもありましたので、家族団らんはこの和室で過ごしました。

2Kのマンションでしたので、玄関を開けるとすぐにキッチンになってしまい、来訪者に食事の内容

を見られてしまう欠点があります。どんなに小さな住まいでもやはり、少し、玄関スペースという

ものがあった方がいいでしょう。

横浜のアパートは玄関横に4畳半の洋室がありましたが、作りは同じで、ダイニングキッチンに和室

が2間がつながっているタイプです。ここは逆に和室がバス通りに面していて、朝晩はバスの音で

悩まされました。ここのキッチンと玄関は少し長い廊下でつながっていましたので、割りと

プライバシーは保てられました。ただ、キッチンには窓がないので、和室の引き戸を開けていないと

暗く、閉塞感が強くなってしまいます。

横浜の一軒家で初めて、フローリングのリビングを設計しました。広島、横浜のアパートは

ビニールタイルでしたから、子供が汚しても全然気にならなかったのですが、フローリングは

「気持ちがいいが、手入れが大変」というのが、よくわかりました。だいたい、15年前後で、

日に焼けてしまったり、傷ではがれたりしますから、張替えを考えなければなりません。

8畳のリビングでしたが、ソファー、センターテーブルなども必要になります。テレビも大きなもの

が欲しくなります。ダイニングが6畳でしたので、間の引き戸は年中はずして、1間として使って

いました。冷房が台所まで伝わりにくいのですが、使い勝手や南からの採光という観点では、

このくらいの広さであれば、ワンルームの方がいいように思います。さらに、リビングに隣接する

和室との扉を大きな引き戸にして、この引き戸を開けると、20畳のワンルームとして使うことが

できるようにしました。風の通りも良くなり、夕日が富士山に沈む景色もリビングから味わうこと

もでき、非常に満足したものです。ただ、建てた後に気が付いたのは、南側に畑を挟み道路があった

のですが、抜け道になっており、さらに坂だったので、朝は特に、車の騒音に悩まされました。