「天皇の料理番」と「まれ」

同じ料理人のドラマ。

時代はだいぶ違うが、これが真実なら、この業界のパワハラは今でも続いている。

一体こういう業界には労働基準監督官は訪問しないのだろうか?

それはともかく、小林薫小日向文世の両師匠はともにいい味を出している。

常々言っているが、面白いドラマは脇役で決まる。

いくら主人公が頑張っていても、脇が下手だと一気に醒めてしまう。


天皇・・」の主人公佐藤健とその奥さん黒木華。素朴な二人が織り成す会話がいい。

このドラマは何度も放送されているらしいが、僕は観ていないので

新鮮で、主人公の桁外れた情熱や非常識ぶりが面白い。

そういう主人公をまわりのみんなが理解して、支えている雰囲気が

妙に懐かしい時代への郷愁を呼ぶのだろう。



「まれ」の主役土屋大鳳も一人で頑張っているが、カメラマンがUPしすぎて

どうも演技より可愛い顔に執着しすぎている感がある。タイトルバックで

踊るシーンも能登の人たちとのギャップが大きすぎて。。。

一生懸命頑張っている土屋だが、オーディションで私にチャンスをくださいと

訴えたというエピソードがかぶってきて、人を押しのけてでも這い上がる性格に

ちょっとたじろいてしまう。小日向のセリフではそうでなければ世界一のパティシエに

はなれないらしいが・・・

ただ、漆職人や製塩など地味な伝統のよさを紹介し、さらに一所懸命生きることの

すがすがしさというNHKらしい良心が心地いい。

そこに多くの脇役陣を持ってくる構成は「あまちゃん」成功に便乗している。