「ハングリー」

連続ドラマは「一体結末はどうなるのだろう?」
という謎解きがなければ、観続けることが難しい。
 
しかし、このドラマの結論もその過程もほぼ読める。
つまり、向井理演じるエイスケさんは心休まるフレンチレストラン
をみんなの力で作り上げ、稲垣吾郎をギャフンと言わせるのだ。
ロックシンガーに期待する国仲涼子から胃袋を掴まれた瀧本美織
恋心が動いていくのも予想できる。
それは、ハングリーというタイトルからして最初から分かっている。
 
結論はわかっているのだが、なぜか見続けているのはなぜか?
 
ひとつは、エイスケさんが作る料理が本当にうまそうなのだ。
そしてそれを食べる人がどのように感動するのか?
それが見ていて気持ちがいいのだ。
あの相武紗季が見事なデブキャラを演じた「スイーツドラマ」もそうだった。
 
そして二つ目は過去のドラマの中でこれほど「エイスケさん」と言われたことが
なかったことだ。小さい頃は「スケベ」とからかわれていたので、
自分の名前が好きではなかったし、親を恨んだりしたものだ。
自分がそう思っていたせいか、カミサンを含めて付き合った女性も
「エイスケさん」とは呼ばなかった気がする。
瀧本や国仲は僕のタイプではないが、うっとりとした表情で「エイスケさんが好き」なんて
言われてしまうと悪い気はしない。むしろ、ああ、現実でももっとこう呼ばれたかったなぁと
思うのだ。そんなわけで、僕はこのドラマで瀧本美織と擬似恋愛をしている。