「風のガーデン」が終わった。
緒方拳の遺作と言うことで、話題になったが、
中井貴一が倉本聰のシナリオ「男の夢」を実現したドラマと
言っていいのではないか?
男が死ぬ間際に何をしてほしいか?
バージンロードで娘の手を取る?
本当に幸せな家であれば、そうかもしれないが、そんな親娘は少ないのでは?
むしろ、排泄援助である「芋堀り」を娘にしてもらう。
かなりマニアックでかつ普遍的な不思議な喜びかもしれない。
きれいな花を延々と映し、死をきれいなものとして歌い上げたり
逆に終末医療のむなしさ、汚さを描いていたり、緒方にとっては
きつい仕事だっただろう。そんな緒方の演技はいろいろ考えさせるものがあった。
倉本にせよ、緒方にせよ、多分、男はみんないろいろな女性に
惜しまれながら死んでいきたいんだろうな。
伊藤蘭、平原綾香、石田エリ、黒木メイサ。
これだけの美人ぞろいが見送ってくれる死が幸福でないわけない。
どうしようもない、父親にあれだけの笑顔を見せてくれる娘さえ
そばにいてくれたら、蘭ちゃんや綾香なんて、会わなくてもいいんだろうな。
いずれにせよ、倉本が男のロマンを描きたかったことは間違いない。
蛇足だが、黒木の眉はゴルゴ13に似ている。
平原綾香は歌はうまいが、演技は黒木に大きく負けている。