TAROの塔

1970年僕は高校1年だった。
太陽の塔を見て僕はまったく理解できなかった。
むしろ腹が立った。これが芸術か!
 
TAROの塔」の松尾スズキはうまい。
芸術は爆発だ」と目をむく岡本太郎が、太陽の塔をどうして作ったのか?
「人類の愛と調和」という戦後教育の集大成のような心地よいスローガンに
同調していた僕たちは、50歳を超えてようやく人間の不可解さと救いのない矛盾、
そして欧米から輸入された画一的なマスプロ教育しかできない義務教育の功罪
を理解できるようになった。
 
当時の僕たちと同じように、四角四面の役人たちの中で「調和なんてくそ食らえ!」
という太郎を理解できたのは何人いただろうか?
丹下健三の屋根をぶちぬく塔をアイデアを丹下はどうするのか?
 
そして、キャタピラーで評価された寺島しのぶの怪しい目の演技。
岡本かのこが、どうして芸術に憑かれてしまったのか?
女性小説家、詩人の官能的な生き様を独特雰囲気で表現している。
 
「事実は小説より奇なり」
この期の連ドラ「美しい隣人」より、面白い。
脚本家よ。がんばれ!
 
このドラマを見ない若き芸術家は損をする!