家族のカタチ

香取慎吾上野樹里の恋愛ドラマならなんとなくストーリーが見えてくる。

しかし、西田敏行風吹ジュンが親として、水野美紀がそのパートナーとして

二人のアラサーシングルライフ(ASL)に入り込んでくると俄然、面白さが出てくる。

ストイックな生活を楽しみながら、一抹の不安を誤魔化しているASL。

「流星ワゴン」のような親子の葛藤をこの日曜9時ドラマは再現して見せる。

面倒くさい、お節介オヤジとお袋。

自分も2~30代の頃は確かに親がうざかった。

しかし、自分も「うざがられる世代」になってしまったので

よく分かるのだが、親子の会話ほど難しいものはない。

酒を酌み交わして、当たり障りのない話をするのはできても

改まって、「これから人としてどう生きるんだよ?」とどうしたら言えるのだろうか?

「流星ワゴン」でも香川照之が死にそうになってからの話だし、

このドラマでも西田の死期が分かってからの話。

死ぬ間際まで、本音を見せられないのか?

心筋梗塞で逝ってしまったオヤジとは何も会話できなかったから

自分もそうなるかもしれないという不安。

干渉されない自由を求めて、若者は都会に集まっていく。

そんな核家族時代の干渉のない自由が、いつの間にか寂しさに変化していく。

そろそろ大家族の良さを見直す時なのかもしれない。