朝ドラ「つばさ」高畑敦子演じる「可乃子」と吉行和子演じる「母親」の邂逅。
2人の演技はなかなかのものだ。朝だというのに、ふと貰い泣きをしてしまう。
女「寅さん」を意識したこの可乃子だが、こういう場面は寅さん映画には出てこない。
まず寅さんは身内に対して本音をしゃべったことがない。確かに自分の行為を
謝ることはあっても、決して本音はもらさない。そこが山田洋二の良さだった。
つまり、日本の男はどんな時も「あばよ」とだけ言って去っていくのだ。
「つばさ」は、母親と娘だからこれはこれでいいのかもしれない。
考えてみると、僕のまわりには結構、母親と「確執」している娘がたくさんいる。
はたから見れば、もう年なんだからお互い許してあげなよとは思うのだが
そうもいかないようだ。
かくいう僕も息子たちに多くの迷惑をかけてきたのだが、
一度も面と向かって謝ったことがない。
「任侠ヘルパー」でも結局、男たちは最後まで「ありがとう」って言えないのだ。
だから僕は毎年遺言を書いている。遺言とは別にお金の分配がメインではなく、
今まで言えなかったことを書き残しておくためだけだ。
それを毎年正月に書き直すのだ。段々、相手が増えていくかもしれないが
それはそれでいい。息子たちがそれに気付いて、そのメッセージを素直に
受け止めてくれること、そしてきちんと届けてくれることを期待して・・・